当山は薩埵山(さったさん)大願寺と称し、真言宗御室派の寺です。聖徳太子が蘇我馬子に命じて建立したと伝えられており、本尊十一面観音菩薩は藤原時代後期の神亀元年(724年)徳道上人の作と伝承しています。
宇陀松山藩主織田出雲守高長は本尊の信仰厚く当山を祈願所としました。
また嫡子織田山城守長頼は京都の鞍馬寺の尊像と伝えられている毘沙門天を勧請し、その子織田出雲守信武は元禄6年(1693年)毘沙門堂を建立しました。
その後、明治18年に本堂、宝蔵等全焼の災難に遭い伝来の仏像も消失しました。本尊十一面観音菩薩は明治の火災で御面相及び御両手をなくされましたが、後に土中より発見されました。徳道上人が長谷寺建立を誓い、弘法大師が大蔵寺建立の大願を誓われ成就したので「大願成就」の御利益があると伝えられています。
苔むした山門の階段をくぐると境内には本堂、毘沙門堂、仏足堂、庫裡があります。
少し登ると織田長頼公が延宝2年(1674年)に加賀の白山神社を勧請し、織田家歴代の氏神として祀った白山権現社があります。モミの巨木やケヤキ、山桜,イチョウ、ハンカチノキ等があり初夏の楓の新緑,紅葉が楽しめます。